沼っちゃうほど甘い溺愛ラリーなんて、続けられません
変わらない桃園くんの陽キャっぷりが、本当にありがたい。
「一限目は数学だよね?」
席に座りながら、桃園くんは真っ白な歯をニカっと光らせた。
「桃園君は、宿題ちゃんとしてきた?」
「その話をしようと思ってたんだ」
「ん?」
「由乃ちゃん、宿題見せて!」
「もしかして……やってないの?」
「違う、違う。ちゃんとやってきたって。答え合わせしておきたくて」
「ノートを貸すのはいいけど……私の答えが、間違ってるかもしれないよ」
「二人が違う答えを書いてたら、その問題を今から二人で解きなおせばいいじゃん。由乃ちゃんの答えが間違ってた時は、罰ゲームね」
「罰ゲーム?」
おでこに指でピンとか?
あれ、結構痛いんだよね。
うちの弟の陸翔なんて、全力でやってくるし。