沼っちゃうほど甘い溺愛ラリーなんて、続けられません
「目が覚めたんだよ。茜も私たちも」
「……」
「ニコニコ笑ってるから、良い人だって思い込んでた。でも、こんなに由乃ちゃんが性格が悪いなんて思わなかった。一生懸命恋してる友達の好きな人を取るとか、人として最低だからね」
夏希ちゃんは教室のドアに手をかけると
「転校でもしたら?」
勝ち誇ったような顔でドアを開け、教室の外に消えていった。
脱力するように、床にしゃがみ込む私。
頭を抱えるように、両手で耳をふさぐ。
そっか、そっか。
私はもう、みんなに嫌われているんだ。
クラスメイトにも。
茜ちゃんにも。
大好きな、黒岩くんにも。