沼っちゃうほど甘い溺愛ラリーなんて、続けられません
その時
キーーーン!
スピーカーから、耳に突き刺さるような不快音が飛んできた。
何が起きたの?
私は恐る恐る、茜ちゃんの肩から目だけを出してみる。
ステージ中央。
そこには、トロフィーとハンドマイクを持った黒岩くんがいて。
ステージ下の全生徒に向かって、大声を張り上げた。
「俺はあんな女と、何の関係もないからな!」
目を吊り上げ、怒り顔の黒岩くん。
黒岩くんはマイクとトロフィーを床に置くと
今度は赤い糸を両手で掴み……
ブチっ!
怒りと根性で、赤い糸を引きちぎってしまった。
これには私も、もちろん唖然。
拳が入りそうなほど大きく開いた口が、全くふさがらない。