沼っちゃうほど甘い溺愛ラリーなんて、続けられません


消えろかぁ。


私がお母さんのところに行けば、この苦しみから逃れられるのかな?


でも命を絶ったら、病死したお母さんに嫌われそう。


『私みたいに、生きたくても生きられない人がいるんだよ』って。



天国のお母さんにまで嫌われたら……


弱すぎるメンタルをなんとか支えている柱が、簡単に折れちゃうよ。

ポキって。



私の隣のクラスから、友梨佳ちゃんが廊下に飛び出してきた。



「由乃ちゃん……この傘……」



私が貸した折り畳み傘を手に、震えている。

今にも泣きそうな顔で。


普段の私なら、とびきりの笑顔を向けるのに。

表情筋が死んでるこの状態では、無表情でいるのが精いっぱい。

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