沼っちゃうほど甘い溺愛ラリーなんて、続けられません
廊下に出てみた。
床に置かれたお弁当の袋を手に、部屋に戻る。
ローテーブルの前に正座をして、ビニール袋からお弁当を取り出した。
コトン。
袋から何か落ちたけど
これって……
バドミントンのシャトルだ。
半月型のコルクと羽の間には赤い毛糸がグルグルまかれ、リボン縛りで結ばれている。
赤い毛糸が巻き付けられたシャトルを、私はローテーブルの上に置いてみた。
黒岩くんだよね?
このシャトルを、袋の中に忍ばせたのは。
どんな思いが込められているの?
考えても考えても、私には全くわからないよ。
頭の中から、黒岩くんを追い出したい。
叶わない恋は、完全に捨て去りたい。
苦しくて苦しくてたまらない。
私は黒岩君のことなんて忘れたいのに。
なんで、こんなことをするかなぁ?