沼っちゃうほど甘い溺愛ラリーなんて、続けられません


廊下に出てみた。


床に置かれたお弁当の袋を手に、部屋に戻る。


ローテーブルの前に正座をして、ビニール袋からお弁当を取り出した。



コトン。



袋から何か落ちたけど

これって……



バドミントンのシャトルだ。




半月型のコルクと羽の間には赤い毛糸がグルグルまかれ、リボン縛りで結ばれている。


赤い毛糸が巻き付けられたシャトルを、私はローテーブルの上に置いてみた。




黒岩くんだよね?

このシャトルを、袋の中に忍ばせたのは。



どんな思いが込められているの?

考えても考えても、私には全くわからないよ。




頭の中から、黒岩くんを追い出したい。

叶わない恋は、完全に捨て去りたい。

苦しくて苦しくてたまらない。



私は黒岩君のことなんて忘れたいのに。

なんで、こんなことをするかなぁ?


< 116 / 226 >

この作品をシェア

pagetop