沼っちゃうほど甘い溺愛ラリーなんて、続けられません


えっと……


赤い糸って、手で切れちゃうものなの?


縁切りバサミでチョキンなら、まだわかるけど……


手でブチって……



えっ……えぇぇぇぇ??






黒岩君に結ばれていた赤い糸が、スーッと見えなくなっていく。


もちろん私の指には、もう赤い糸は結ばれていない。




静まりかえる講堂。

生徒が誰一人、言葉を発しない。

みんな口を開けて、ポカン状態。



「学園長、もう俺の表彰式は終わったよね? 教室に帰っていい?」


「……えっ?」



いつも優雅な学園長まで、口ポカンだし。



「これで全校集会、お開きってことで」



黒岩くんは手をひらひらさせると

ステージから降り

講堂から出て行ってしまいました。

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