沼っちゃうほど甘い溺愛ラリーなんて、続けられません


「土曜日だし、今日も由乃に会えないかもって思ったよ。でも良かった。由乃の家に着いたときに、弟君がちょうど外にいたんだ。ねっ、友梨佳」



えっ? 

友梨佳ちゃんも来てるの?



「ったくあの子は。自分から由乃に会いたいって言ったくせに」

と、ほっぺを膨らました茜ちゃん。


私から離れこの部屋を出ると、友梨佳ちゃんの背中を押して戻ってきた。




ベッドに座ったまま、私は見上げてみる。


目の前で、友梨佳ちゃんが泣いている。


申し訳なさそうに肩を震わせながら。

私が貸した折り畳み傘を、大事そうに抱きしめて。



「由乃ちゃん……ごめんね……」



なんで友梨佳ちゃんが謝るの?

悪いのは、友梨佳ちゃんの恋を邪魔した私でしょ?



前みたいに笑うことができなくなってしまった私。

濁った瞳で、ただただ友梨佳ちゃんを見つめてしまう。

< 120 / 226 >

この作品をシェア

pagetop