沼っちゃうほど甘い溺愛ラリーなんて、続けられません
「土曜日だし、今日も由乃に会えないかもって思ったよ。でも良かった。由乃の家に着いたときに、弟君がちょうど外にいたんだ。ねっ、友梨佳」
えっ?
友梨佳ちゃんも来てるの?
「ったくあの子は。自分から由乃に会いたいって言ったくせに」
と、ほっぺを膨らました茜ちゃん。
私から離れこの部屋を出ると、友梨佳ちゃんの背中を押して戻ってきた。
ベッドに座ったまま、私は見上げてみる。
目の前で、友梨佳ちゃんが泣いている。
申し訳なさそうに肩を震わせながら。
私が貸した折り畳み傘を、大事そうに抱きしめて。
「由乃ちゃん……ごめんね……」
なんで友梨佳ちゃんが謝るの?
悪いのは、友梨佳ちゃんの恋を邪魔した私でしょ?
前みたいに笑うことができなくなってしまった私。
濁った瞳で、ただただ友梨佳ちゃんを見つめてしまう。