沼っちゃうほど甘い溺愛ラリーなんて、続けられません
「茜ちゃんも友梨佳ちゃんも、私の部屋で待ってて」
「どうした、由乃? ゾンビと遭遇したような真っ青な顔して」
「後で話すから。ごめんね」
私は慌てて、階段を駆け下りる。
靴を履き、庭に飛び出し、パトカーまで全力で走った。
パトカーの前に、黒岩くんと警察2人。
それに……私のお父さんまで?
なにやらお父さんが、黒岩くんを弁明しているみたい。
えっと……この状況は……一体??
「そういうことでしたか。では、私たちはこれで」
険し表情を解除した警察官二人が、パトカーに乗り込み帰っていく。
私は黒岩くんを見上げ、心配声を飛ばした。