沼っちゃうほど甘い溺愛ラリーなんて、続けられません
「警察に何か言われてたみたいだけど、何があったの?」
「近所の人に通報された。由乃の家の窓にシャトルをぶつける不審者がいるって」
確かに……
危険人物だって、警戒しちゃう人の気持ちもわかる。
眉と目じりを下げたお父さん。
申し訳なさそうに、声を弱らせた。
「黒岩くん、悪かったね。俺が許可したことなのに」
「いいえ。警察に通報されてもおかしくないことを思いついたのは、俺自身なので」
えっ?
「お父さんが許可をしてたって、どういうこと?」
「俺が由乃のお父さんにお願いをしておいたんだ。窓を買い替えるから、由乃の部屋の窓にシャトルをぶつけさせてくださいって」
「そうだったの?」