沼っちゃうほど甘い溺愛ラリーなんて、続けられません
「きゃぁぁぁぁぁ!」
教室中に女子の悲鳴が響いている。
廊下にいる女子達からも同様に。
注目の視線が、俺たちに突き刺さっているこの状況。
最高のチャンス!
ライバルになりうる全ての男たちに、見せつけたい。
由乃は永遠に、俺だけのものだって。
俺は由乃の頬に、真っ赤な毛糸が揺れる左手を添えた。
恥ずかしさで今にも泣きだしそうな由乃。
弱々しく瞳を揺らしながら、俺を見つめてくる。
わかっているのかな?
由乃に間近で見つめられたら、俺はオオカミに変身するってこと。
理性を吹っ飛ばして。
他人の目なんかどうでもよくなって。
場所も時間も関係なく、唇を奪いたくなるってこと。