沼っちゃうほど甘い溺愛ラリーなんて、続けられません
アタフタする私。
黒岩君の怒りを、なんとか鎮めたい。
でも、どうしていいかわなからない。
腰まで伸びるユルふわ髪が揺れるほど、肩をブルつかせてしまう。
――とりあえず謝ろう。
そう思って、こぶしを握り締めたとき
弱々しい声が聞こえてきた。
「オマエ……嫌だった?」
「えっ?」
「俺と赤い糸で……結ばれた時……」
えっと……
ですね……
黒岩君に質問をされた。
だから、お返事をしなきゃいけない。
そんなことは、わかっているんだけど……
私は目を見開いたまま、立ち尽くしてしまった。
だって黒岩君の顔が、真っ赤に染まっているんだもん。
恥ずかしさを隠すように、口元を手で押さえていて……
私と目を合わせないように、視線を斜め下に逃がしていて……