沼っちゃうほど甘い溺愛ラリーなんて、続けられません
心臓がズキズキと痛みだす。
クラスが変わっても、茜ちゃんは親友のまま。
そう思っているのは、もしかして私だけ?
そんなことは聞けなくて、窓の外に視線を逃がす。
車の窓に容赦なく突き刺さる、大粒の雨。
とりあえず笑顔を作らなきゃ。
茜ちゃんに嫌われないように。
気合を入れ、なんとか口角を上げたとき
「目的地、もう着いちゃったの?」
茜ちゃんが残念そうな声を上げた。
「もっと由乃とドライブを楽しみたかったのに。クラスが変わっちゃったせいで、一緒にいられる時間が減っちゃったんだから。兄貴、早くない? ワープとかしてない?」
「俺がそんなことできたら、この星が滅びてるわって。自分で言ってて、意味わからんわ。アハハハ~」
運転席から振り返り、茜ちゃんのお兄さんはのけぞるように笑っていますが。
私は窓の外を見つめ、お口ぽかん。
「ここって……結婚式場?」