沼っちゃうほど甘い溺愛ラリーなんて、続けられません
まるで海外のお城のよう。
雨で揺れる木々の中央に、メルヘンチックな建物が立っていて
「どういうこと?」
動揺を隠しきれない私は、隣に座る茜ちゃんの腕つかみ、ゆさゆさと揺すっちゃった。
「由乃、おめでとう」
「えっ?」
「楽しみにしてて。去年のクラスメイトみんなで、思いっきりお祝いしちゃうからね」
「……何をする気?」
「由乃と潤くんの、フライング結婚式だよ!」
そっか、そっか。
みんな優しいな。
わざわざ私と黒岩くんのために、休日に結婚式場に集まってくれるなんて……
……って。
「えぇぇぇぇぇぇ??」
ななな……、何ですかそれは!!
フライング結婚式なんて言葉、初めて聞いたよ。
しかも主役は、私と黒岩くん??
黒岩くんも来るの?
今日、バドミントンの練習って言ってたよ。