沼っちゃうほど甘い溺愛ラリーなんて、続けられません
黒岩君の男っぽい、色っぽい声。
なぜか恥ずかしさも溶け込まれていて
――そんな甘い声で、私の名前を紡がないで。
――心臓、壊れちゃいそう。
私は両手を顔に当て、その場にしゃがみ込んでしまいました。
それが、昨日おきた出来事です。
今日も通路を挟んで私の隣の席には、黒岩くんが座っている。
昨日の体育の後から、お互い何も話していない。
普段通りって言えば、普段通りだけど。
でもでも私は、普段とは明らかに違っていて。
無視されても毎朝言い続けていた、「おはよう」の挨拶すら黒岩くんにできなくて……
授業を受けている間中も、なぜかドキドキして……
隣の席の黒岩くんを、私は意識してしまうんです。