沼っちゃうほど甘い溺愛ラリーなんて、続けられません
「ゆの。ねぇ、由乃ってば」
ん?
この声は……
「な~に、空想の世界に沼っちゃってんの? 今すぐ現実に戻ってこ~い!」
私の肩が大きく揺れる。
頭なんて、前後にグワングワンの大揺れで。
私の肩に両手を置き
脳みそをぐちゃぐちゃにしようとしているのは……
親友の茜ちゃん?
「あれ? 茜ちゃんにバレてた? 私の意識が、ここになかったこと」
「当たり前じゃん。天井見ながらニヤついて、ぶつぶつ言ってたし」
ひぃあ! 恥ずかしすぎ。
私、そんなにマヌケなことをしてたんだ。
「由乃は天井なんて見てないで、ステージのイケメンを拝みなさいよね」
茜ちゃんの言葉に、首を傾げた私。
腰まで伸びる私のユルふわ髪が、サラッとなびく。