沼っちゃうほど甘い溺愛ラリーなんて、続けられません


「えっと……イケメンって?」


黒岩(くろいわ) (じゅん)くん。また表彰されてるでしょ!」



そうでした、そうでした。

今は、全校集会の真っただ中。


私たち高等部の生徒は、朝から講堂に集められたのでした。

バドミントンで県大会優勝を果たした黒岩くんを、お祝いするために。



「あ~あ」と、残念そうな溜息を吐き出した茜ちゃん。


「潤くんさ、イケメンだし、頭もよくてスポーツもできるのに、なんでかなぁ~」


と、頭の後ろを掻いている。



「なんのこと?」


「女子に全く笑わないじゃん、あいつ」



確かに。


同じクラスだから、黒岩君を目にする機会は多いけど。

女子にキャーキャー言われても、ガン無視状態。


耳の鼓膜はありますか?

そう聞きたくなるほど、女子の声をシャットアウトしている。



ゆるっと波打つ黒髪が、顔面のセクシーパーツにマッチしすぎていて

高校生とは思えないほど、大人っぽくて色っぽいけど……


私は苦手だなぁ。

「おはよう」って笑顔で挨拶をしても、いつも睨まれちゃうし。

< 4 / 226 >

この作品をシェア

pagetop