沼っちゃうほど甘い溺愛ラリーなんて、続けられません

恥ずかしさで、視線が下がる。

顔なんて、絶対にあげられない。



羞恥心とドキドキ。

せめぎ合いが激しくて。

心臓がうるさくて。


私の顔は今、完熟チェリーくらい真っ赤だと思う。

今すぐどこかに、隠れたいくらい。



もう一度、私は火照る顔に両手を当てた。

その時……



「由乃の言葉、信じていい?」



急に甘くなった黒岩くんの声に、私のハートが甘くきしむ。



そんな艶っぽい声で「ゆの」なんて囁かないで。

心臓が痛い。

余計、顔なんてあげられないよ。



私はうつむいたまま、コクり。




「やばっ。生きてきた中で、今が一番うれしい」


「えっ?」


黒岩くん手のひらが、私の右頬を包み込んだ。


見上げると、黒岩くんが優しく微笑んでいて。


愛おしい人を可愛がりたい。

そんな甘い瞳を揺らしていて。


初めて見る黒岩くんの、男らしくて柔らかい表情に引き込まれてしまう。

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