沼っちゃうほど甘い溺愛ラリーなんて、続けられません
彼のお家で二人きり
☆由乃side☆
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私は今、お弁当屋さんの前に来ています。
お母さんが病気で亡くなって以来、家事は全部、私がこなしているんだけど。
毎日ご飯を用意するのって、本当に大変なの。
だから、お父さんが決めてくれたんです。
『毎週土曜日の夕飯は、外食にしよう』って。
中2の弟が、このお弁当屋さんの味が大好きなんだ。
だから毎週土曜日の夕方は、このお店にお弁当を買いに来ている。
でも……今は……
自動ドアをくぐる勇気が、全く沸いてこない。
先週来た時の100倍以上、心臓がドギマギしている。
回れ右して、さようなら~と家に帰っちゃいたいくらい。
だって、どんな顔をして会えばいいかわからないんだもん。
大好きな人に。
昨日から付き合うことになった、黒岩くんに。