沼っちゃうほど甘い溺愛ラリーなんて、続けられません
「黒岩君って、女子が嫌いなのかな?」
「そうなんじゃん? 仲いい男友達にだけ、心を許したように笑っちゃってさぁ」
「女子は近づくな!って怒り顔で、睨まれちゃうもんね」
「由乃が笑いかけても、完全無視。そんな男がこの世にいる?って、初めて見たときに驚いたよ」
なんで私の名前が出てくるの?
「茜ちゃんの言ってる意味が……よく分からないんだけど……」
「あんたね。自分から放たれるエンジェルスマイルの威力、そろそろわかろうね」
「エンジェル……スマイル?」
「男子の瞳をハートに変形させる矢、放っちまくってるでしょうが」
「だから、何のことかわからないんだってば」
「こんだけモテるのに、女子にいびられないんだもんなぁ。まぁそれは、由乃が困ってる人をすぐ助けちゃう、優しい人だからだね~ 納得納得」
「えっ?」
「ああぁ~もう! キョトン顔も可愛いなぁ~! ずるいんだよ、由乃は!」
「ええっ? ずるい?」
「ニコニコとキョトンのギャップ! 同性にも効き目、抜群だからね」