沼っちゃうほど甘い溺愛ラリーなんて、続けられません


「黒岩君って、女子が嫌いなのかな?」


「そうなんじゃん? 仲いい男友達にだけ、心を許したように笑っちゃってさぁ」


「女子は近づくな!って怒り顔で、睨まれちゃうもんね」


「由乃が笑いかけても、完全無視。そんな男がこの世にいる?って、初めて見たときに驚いたよ」



なんで私の名前が出てくるの?



「茜ちゃんの言ってる意味が……よく分からないんだけど……」


「あんたね。自分から放たれるエンジェルスマイルの威力、そろそろわかろうね」


「エンジェル……スマイル?」


「男子の瞳をハートに変形させる矢、放っちまくってるでしょうが」


「だから、何のことかわからないんだってば」


「こんだけモテるのに、女子にいびられないんだもんなぁ。まぁそれは、由乃が困ってる人をすぐ助けちゃう、優しい人だからだね~ 納得納得」


「えっ?」


「ああぁ~もう! キョトン顔も可愛いなぁ~! ずるいんだよ、由乃は!」


「ええっ? ずるい?」


「ニコニコとキョトンのギャップ! 同性にも効き目、抜群だからね」

< 5 / 226 >

この作品をシェア

pagetop