沼っちゃうほど甘い溺愛ラリーなんて、続けられません
どうしよう……。
レジに行かないと、お弁当が注文できない。
でもでも、今レジに行ったらどうなると思う?
黒岩くんLOVEの皆さんから、ギロっと睨まれちゃうこと間違いなしだし。
黒岩くんのお仕事の邪魔になっちゃうかも。
彼女として、気を使った方がいいのかな?
彼氏のお仕事を増やさないために、お弁当を買わずに帰るとか……
黒岩くんに嫌われたくない私。
――気づかれないように、そうっと帰ろう。
私は出口に向かって歩き出す。
自動ドアの前、スーッとドアが開いた。
そのまま外へ!
右足は、確実に前に出たはずだったのに……
私の体が、急に後ろに傾く。
気づいたら私の首には、引き締まった腕が巻き付いていた。