沼っちゃうほど甘い溺愛ラリーなんて、続けられません
黒岩くんLOVEの女性たちが、駆け寄ってくる。
並んで立つ、私と黒岩くん。
あっという間に、女性たちに囲まれてしまいました。
みんなが私に向ける視線には、好意的な感情は含まれていない。
恋のライバル視されているのが、丸わかり。
怖い。逃げたい。
そう思うのに、冷酷王子様は私を逃がしてなんてくれなくて。
わざとみんなに見せつけるように、私の手をぎゅっと握ってきた。
指同士が絡まっている。
これって……恋人繋ぎ?
顔面蒼白の美女が、焦り声を上げる。
「潤くん、なんでマスクとってるの? さっき私がお願いした時は、無理って言ったじゃん」
「好きな子にあんなダサい自分、見せたくないから」
天井に突き刺さる、悲鳴の大合唱。
信じられないという顔を浮かべ、みんながオロオロ状態に。