沼っちゃうほど甘い溺愛ラリーなんて、続けられません


そっか。

黒岩くんと映子さんには、見えていないんだ。

二人をつないでいる、運命の赤い糸が。


縁結びの神様は、本当にあまのじゃくだなぁ。


私にも、赤い糸が見えないようにして欲しかったよ。


だって苦しすぎなんだもん。


せっかく大好きな人ができたのに。

両想いになれて、ハートがとろけるような甘い幸せに浸っていたのに。


たった2日間だけの、儚い恋だったなんて。





机の上にあるハサミが、私の視界に写りこむ。



――これが縁切りバサミならいいのに。



そんなことを考えた瞬間、自分のことが大嫌いになった。



黒岩君の幸せを、壊そうとしてしまった。


私って……本当に最低だ……

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