沼っちゃうほど甘い溺愛ラリーなんて、続けられません
私は黒岩君だけに聞こえるように、弱々しい声を放つ。
「やっぱり私……黒岩くんとは……付き合えない……」
「はっ? いきなり、何言ってるんだよ」
だって……
「見えちゃうんだもん……」
「何が?」
「黒岩くんの指に結ばれている……赤い糸……」
「糸? 俺には見えないけど。由乃と……繋がってるんだよな……?」
「違うよ」
「それじゃ……」
「黒岩くんの運命の相手は、映子さんだよ」
「えっ?」
「私と繋がった赤い糸は……黒岩くんが切っちゃったでしょ?」
もう私たちは、結ばれることはないんだよ。