沼っちゃうほど甘い溺愛ラリーなんて、続けられません

「私の指には、赤い糸なんて見えないの。でも黒岩くんの指には、今も赤い糸がピンと張られている。隣の家の映子さんの方に向かって伸びているんだよ」


「俺は映子を好きだと思ったことは一度もない。バド仲間くらいにしか……」


「じゃあなんで、机の上に写真を飾ってあるの?」


「えっ?」


「無意識のうちに、黒岩くんの瞳は映子さんをうつしたいんじゃないの」


「そんなことない! あれは……」


「未来の黒岩くんは、私じゃなくて映子さんを好きになってるんだよ。絶対にそう!」


「なんで勝手に決めつけるんだよ」



「だって本当に……繋がれてるんだもん……赤い糸……」



見えちゃうんだもん……


私には……

はっきりと……


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