沼っちゃうほど甘い溺愛ラリーなんて、続けられません



涙が止まらない。

本当は、こんなことを言いたいんじゃない。


私は黒岩くんが好き。大好き。

私だけを選んでほしい。

ずっとそばにいて欲しい!


だけど私の瞳に映っちゃったんだ。



黒岩くんが将来選ぶ、運命の相手。

黒岩君が将来溺愛する、最愛の人。


それが『映子さん』だという、はっきりとした証拠が。



大好きな人の幸せなんて、壊したくないよ。


今の黒岩くんは、私を選んでくれるかもしれない。

でもいつか、私の前からいなくなる。



「やっぱり俺の運命の相手は、由乃じゃなかった」



そう言って、映子さんを抱きしめる日が来る。



そんなことをされたら、弱い私は耐えられない。

人生に絶望して、生きることさえ嫌になってしまうかもしれない。



そんな惨めな未来が待っているなら……


黒岩君の幸せを壊すことになるくらいなら……


今ここで、黒岩くんとの恋を終わりにする!


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