沼っちゃうほど甘い溺愛ラリーなんて、続けられません
それって、過去の自分にわからせたいってことかな?
私を好きだと思った感情は、偽物だったって。
きっとその通りだよ。
私なんかが、黒岩くんにふさわしいわけがないし。
何のとりえもなく、ニコニコしてるだけの笑顔バカだし。
「お邪魔しました」
たった2日間だけの彼女だったけど、黒岩くん、たくさんの幸せをありがとう。
深い感謝を込め、私は黒岩くんに頭を下げた。
サヨナラの涙が止まらない。
両手で拭っても、ぬぐいきれない。
「……もう俺の家に……弁当なんか買いに来るな」
黒岩くんは静かに怒りを吐きだすと
私を見ることもなく、階段を駆けのぼって行った。