年下男子は天邪鬼
リビングに入ると引っ越しのダンボールはほとんどそのままで
いつも部屋を綺麗にしていた大地の部屋とは思えない乱雑ぶりだった。

キッチンの流しにはカップラーメンのカップがほとんど手のつけられていない状態で置かれていた。

「大地、今日はちゃんとご飯食べた?」

「いや、ずっと寝てた..」

「食べないと治るものも治らないでしょうが!コンビニでお弁当買ってきたから一緒に食べよう!」

私はそう言ってテーブルにも置いたままの何時ぞやのカップラーメンのカップを片付け始めた。

「うん。ありがと」

大地は少し嬉しそうに呟くと
ローテーブルの前に腰を下ろす。

そしてコンビニのお弁当を二人で食べ始める。思ってたよりも元気そうではあるが、やはりまだ少し顔色もわるいし3週間前より痩せた印象はある。


「大地、何kg痩せた?」

「んー、測ってない。
依子は少し太った?」

大地が嫌味な笑い方をする。

「なっ!失礼なっ!誰のせいだと思ってるのよっ」

こっちは連日の自棄食いでもう体重計にも恐くて乗れないほどだというのに。

「人のせいにするなよな」

不貞腐れたように言う大地に
あんたのせいだよっと心の中で突っ込む。
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