年下男子は天邪鬼
「あらっ、その知り合いっていうのはもしかして彼女?」

母さんはすぐに知り合いという言葉に食いつき、キラキラと目を輝かせた。

「彼女ではないけど、大切な人だよ」

俺は照れくさくて声が尻つぼみに小さくなる。


母さんは俺の照れくさそうにしている顔を見て「そう...大切な人ね...」
と嬉しそうに呟いた。

「そいつ、うじうじ悩んでる俺を見てお見舞い行かないと一生後悔するぞって脅すんだよ。」

「ふふっ。良い子じゃない♪
大地にはそのくらい引っ張ってくれる子じゃないと。あんたは頭であれこれ考えて面倒くさいところがあるから。」

母さんは顔を顰めてみせた。

「そういえばそいつ。
なんか、母さんに似てるかも。
料理や掃除苦手なとことか。
あ〜あ、俺は絶対、母さんと違って家庭的な女の子捕まえる予定だったのに。」

「あんたは考え方が古臭いのよ。今の時代、男も家事をすればいいのよ。」



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