年下男子は天邪鬼
「しかも、そいつ母さんと同じでかなりの酒強いし。」

「なんだか、その子と気が合いそうだわ♪」

「退院したら、改めて家に連れてくから
そのとき一緒に飲めばいいだろ。」

「ふふっそうね。楽しみだわ。
大地に大切な子が出来たなら
尚の事、頑張って治さないとね!
この手であんた達の孫を抱っこするんだからっ」

息巻いている母さんに俺は「うん」と相槌を打つ。

「だけど、そんなに良い子なら早く掴まえなさいよ。チャンスの神様は後ろハゲってよく言うでしょ。モタモタしてたら、捕まえ損なって他の男に持ってかれちゃうわよ」

俺はそう言われて安斉さんを思い出し「あ〜」と思わず頭を抱えた。

そういえば、安斉さんとどうなったのか聞いていない...

「その子、モテるとこも若い頃の私そっくりなようね」

母さんは自慢げに言うと「私も若い頃はそれはもうモテたのよ。お父さんと出会ったときもね..」昔の思い出話を語り出した。

俺は話が長くなるような予感に
「あー、ちょっと、俺、外に待たせてるから今日は帰るよっ。
じゃあまた来るからっ」
話しを切り上げて病室を出た。
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