年下男子は天邪鬼
「なんで大地がここにいるの...?」

私は震える声で問いかける。

「そんなの依子を迎えに来たからにきまってるだろ?」

当たり前だと言わんばかりに微笑む大地に
依子は「なんでよ...」と呟きながら
溢れ出した涙を拭う。

「待たせてごめん。すぐにでも迎えに来たかったんだけど
ちょうど会社に休みもらってたし、姉さんたちも小さい子供いるから俺が母さんの手術に付き添うことになったんだ。」

「お母さんは大丈夫なの?」

「取り敢えず手術は成功したよ。
依子のおかげだな」


「私なんてなんもしてないじゃん。それはお医者さんのおかげだよ。」

私は泣きながら笑ってしまった。

「うん。でも俺は依子のおかげだと思ってる。
依子が暗闇から救い出してくれた時
きっと何もかもがうまくいく気がしたんだ。」

依子は涙を流しながらフルフルと頭を振った。
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