年下男子は天邪鬼

おまけストーリー☆気になるあの子～安斎編

僕には今とても気になっている子がいる。

取引先の広告代理店の僕よりも7つも年下の女の子。

彼女は僕が訪問した時はいつもパソコンにかじりついて真剣な表情で制作に取り組んでいる。

いつも集中しすぎて、僕が話しかけるまで全く気付いてくれないほどだ。

仕事柄様々な業種の人と話す機会が多いが、
特にこのデザイナーの仕事はキツいと聞いている。
残業も多くて依頼主からのプレッシャーも強い。耐え切れず辞めていく人も何人も見てきている。
そんな入れ替わりも激しいこの業種で彼女は入社してからずっと頑張っている。
何度も泣いた後なのか目を腫らして作業をしているのも見てきた。

きっと残業続きなのだろう、目の下にクマを作って栄養ドリンクをイッキ飲みしているところも見てきたし。

だけど、僕が話し掛ければ疲れを感じさせないほどにこやかに対応してくれる。

初めは遠くから“頑張れ”と応援している
程度だったけど、いつからだろう
彼女のことが知りたいという欲求が
僕の中に生まれていたのだ。

きっと彼女を目で追っている時点で
惹かれていたのに僕はそれに気づくまで
少し時間が掛かった。