年下男子は天邪鬼
そして、安斉さんに小声で
「そのお土産は絶対に依子さんが食べてくださいね!」
と言われて私は訳が分からず「はい...」と答える。

安斉さんは「絶対ですよ」と念押しすると
他の従業員にも軽く挨拶をしてフロアを出て行ってしまった。

菓子パンだけでは小腹が満たされない私は
何だろう...?と思いながら紙袋からきっと
和菓子であろうと思う箱を取り出した。

「あれっ?」

するとパサッとメモが落ちて
何気なく開いた。

白い紙には

今度、一緒にご飯でもいかがですか?
連絡待ってます。
安斉

と、連絡先の番号とメールのアドレスが
書かれていた。


私は

まじですか...

と、叫びたい気持ちを押し殺しながら
赤い顔を隠すように机に突っ伏したのだった。

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