年下男子は天邪鬼
うわっ、当たった!!
まさか本当に命中するとは思っていなかったから投げた本人もビックリだ。
男は立ち止まり頭を手で押さえている。
あれ...?大丈夫かな...?
中身の入った缶はかなり痛いだろうと
相手の頭に当たった後に気づく。
しかし、投げた缶がビールや酎ハイではなく
ウコンの小さめの缶だったのが幸いした。
彼は頭を押さえたままこちらを振り返ると
かなり顔は怒っているものの
至ってピンピンしている。
あー元気そう...良かった...
そんなことを考えている間にも
ウコンドリンクを拾い上げた男は
苛立ちを押さえ切れないといった形相で
こちらに向かって歩いてきた。
そして私の目の前で立ち止まると
「おばさん、中身の入った缶を投げるなんてどういう神経してんだよ!」
男はウコンドリンクを手にかなりご立腹だ。
あっ、またおばさんて言った~...
カッチーン...
尚も私に向かってギャーギャーと説教をたれる男を私はボーッと下から見上げる。
この歳になるとあまりに腹が立つと
プチっと怒りの神経回路をシャットアウトして理不尽に怒られている自分を客観視することができる。
「そもそもパジャマでコンビニなんて
恥ずかしくないわけ?
そんなんだから、イブに独り身なんだよ!!」
仕事での理不尽なクレームも長年処理して
きた私が培ったこの技だけど...
この男は上司でも取引先のお客さんでもない
そろそろキレてもいいよね──
私はバッと立ち上がると
相手の男を負けじと睨み返した。
「誰がおばさんだ、このクソガキ!!
お前は女の子にぶつかっておいて
謝りもなしか!?
謝るくらい幼稚園児でもできるわよ!
そんなんだから、イブにお前も独り身なんだよ!!」
思い切り相手を罵って肩でゼーゼー息をするも、気分はスッキリ爽快だ。
「クソとか、女が信じらんねぇ...」
「あんたに信じてもらわなくて結構よ!」
フンッと私は鼻で息を吐くと
転がっているお酒を拾い始めた。
しかし、ビールの入っていた袋は持ち手がちぎれて使い物にならない。
コンビニを振り返るとイブということもあってレジにはカップルの行列ができている。
コンビニに引き返すのは面倒くさいな...
私はブツブツ文句を言いながら
去ろうとする男のズボンの袖を
咄嗟に掴んだ
男は「まだ何かあるのかよ!!」と嫌そうな顔を向けくるがそんなものもう痛くも痒くもない。
「どうせイブに独り身で暇なんでしょ!
持って行くの手伝って!」
そう言って缶を8本一気に
男の手に乗せた。
男はうわっ!?と言いつつも
受け取ってしまう。
私はお摘まみの入った袋に残りの缶を
入れると
近いから大丈夫よ───と
戸惑っている男を残してスタスタと
歩き始めた。
まさか本当に命中するとは思っていなかったから投げた本人もビックリだ。
男は立ち止まり頭を手で押さえている。
あれ...?大丈夫かな...?
中身の入った缶はかなり痛いだろうと
相手の頭に当たった後に気づく。
しかし、投げた缶がビールや酎ハイではなく
ウコンの小さめの缶だったのが幸いした。
彼は頭を押さえたままこちらを振り返ると
かなり顔は怒っているものの
至ってピンピンしている。
あー元気そう...良かった...
そんなことを考えている間にも
ウコンドリンクを拾い上げた男は
苛立ちを押さえ切れないといった形相で
こちらに向かって歩いてきた。
そして私の目の前で立ち止まると
「おばさん、中身の入った缶を投げるなんてどういう神経してんだよ!」
男はウコンドリンクを手にかなりご立腹だ。
あっ、またおばさんて言った~...
カッチーン...
尚も私に向かってギャーギャーと説教をたれる男を私はボーッと下から見上げる。
この歳になるとあまりに腹が立つと
プチっと怒りの神経回路をシャットアウトして理不尽に怒られている自分を客観視することができる。
「そもそもパジャマでコンビニなんて
恥ずかしくないわけ?
そんなんだから、イブに独り身なんだよ!!」
仕事での理不尽なクレームも長年処理して
きた私が培ったこの技だけど...
この男は上司でも取引先のお客さんでもない
そろそろキレてもいいよね──
私はバッと立ち上がると
相手の男を負けじと睨み返した。
「誰がおばさんだ、このクソガキ!!
お前は女の子にぶつかっておいて
謝りもなしか!?
謝るくらい幼稚園児でもできるわよ!
そんなんだから、イブにお前も独り身なんだよ!!」
思い切り相手を罵って肩でゼーゼー息をするも、気分はスッキリ爽快だ。
「クソとか、女が信じらんねぇ...」
「あんたに信じてもらわなくて結構よ!」
フンッと私は鼻で息を吐くと
転がっているお酒を拾い始めた。
しかし、ビールの入っていた袋は持ち手がちぎれて使い物にならない。
コンビニを振り返るとイブということもあってレジにはカップルの行列ができている。
コンビニに引き返すのは面倒くさいな...
私はブツブツ文句を言いながら
去ろうとする男のズボンの袖を
咄嗟に掴んだ
男は「まだ何かあるのかよ!!」と嫌そうな顔を向けくるがそんなものもう痛くも痒くもない。
「どうせイブに独り身で暇なんでしょ!
持って行くの手伝って!」
そう言って缶を8本一気に
男の手に乗せた。
男はうわっ!?と言いつつも
受け取ってしまう。
私はお摘まみの入った袋に残りの缶を
入れると
近いから大丈夫よ───と
戸惑っている男を残してスタスタと
歩き始めた。