年下男子は天邪鬼
それから、二人で漫画やスマホゲームの話で盛り上がっていた私達は店を出る頃には
時計の針は深夜13時をまわっていた。

「大地、大丈夫?」

私はかなり泥酔している大地に
肩を貸しながら家路を急ぐ。

お酒に強い私はしっかりとした足取りだけど、流石に大地にもたれ掛かられると
その重さに顔を歪める。

途中、依子はコンビニに立ち寄ると
お水を買ってコンビニ前の地べたに
座り込んでいる大地にペットボトルの
蓋を開けて手渡した。

「ほらっ、うちのアパートの階段、
それでなくてもキツイんだから
それ飲んで少しでも酔いさまして」

大地はペットボトルを受け取ると
グイッと水を飲んで「冷たっ」と顔をしかめた。

「どう?もう少し歩けそう?」

依子は心配そうに大地の顔を覗きこむ。

大地は依子の顔をトロンとした瞳で少しの間見つめると、「依子がキスしてくれたら酔いがさめるかも」そう言って依子の頬に優しく手を添えた。

「なっ、何を言ってるのよ?
この酔っぱらいは...
ほら、寒いから行くわよ!」

依子は真っ赤に顔を染めながらも
動揺を悟られないように
大地の腕を強引に引っ張って立ち上がらせた。
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