年下男子は天邪鬼
「ありがとう!
なんか洋服まで買ってもらって申し訳ないから、お礼に夕飯ご馳走させて」

「じゃあ、依子に手料理でも作ってもらうかな」

「えっ?マジッ?
外で食べた方が美味しいと思うけど...」

「そんなの、あの使用してない綺麗なキッチン見れば一目瞭然だし。」

「じゃあ、尚更なぜに手料理?
自慢じゃないけど下手くそだよ?」

「だって最近外食ばかりだからな。
たまには家庭の味が食べたくなるんだよ。」

「う~ん、良いけど後で後悔してもしらないからね?」

そして、俺達は二人でスーパーで食材の買い出しをしてから依子の部屋へ戻った。

今日はハンバーグとミネストローネを
作るらしい。

依子はスマホで料理のレシピを
真剣に眺めると不器用な手付きで
玉葱を切り出した。

あまりに集中しすぎて無意識に
アヒルのように口を尖らせている。

俺はその不器用で真剣な姿が
あまりにも可愛いくて思わず笑いを堪える。

「大地ぃ~助けて」

すると、いきなり依子が包丁を手にしたまま
上を見上げポロポロ涙を流し始めた。

「おい?どうした?」

俺はギョッとして思わず駆け寄る。


「玉葱が目に染みて痛いよ~」

目に涙を浮かべながら
助けを求める依子に俺は急いで
近くに、掛けてあったタオルを手渡した。
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