年下男子は天邪鬼
「変わろうか?」

痛々しげに涙を拭う依子に俺は問いかけた。

「これくらい大丈夫だから
大地は座っててよ」

そう言って依子は再び玉ねぎと
格闘し始めた。


料理は苦手なくせにそれが自分のためだと
思うと嬉しくて後ろから抱きしめたくなる。

俺はソファーに腰かけると
依子の料理の様子を眺めていた。
するとテーブルに置かれた
依子のスマートフォンが
ぶるっと震えた。

画面が明るくなり、
そこには安斉さんから
メールが届いたことを知らせていた。

依子を見ると今度は人参の皮むきに取り掛かっていて全く気づいてないようだ。

安斉さんはどんな内容のメールを
送ってきたのだろうか...?

めちゃくちゃ気になる。

しかし、流石に人として
メールを盗み見るのは駄目だ。

俺は両手をギュッと握りあわせて
なんとか魔が差しそうになる自分を
制御した。

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