年下男子は天邪鬼

「依子さん、怒ってるわけではないので
顔をあげてください。」

安斉さんは優しく私に言った。

「大丈夫です。怒ってるだなんておもってないです。ただただ恥ずかしいだけなんです。」

私は安斉さんに気を遣わせないように
フルフルと顔を横に振った。

すると安斉さんは笑いながらも「可愛いな...」
とボソッと呟いた。

私はその声が聞き取れず「えっ？」と
聞き返したが
安斉さんは「なんでもないです。立ち話もなんですから入りましょう」とニコリと微笑んで誤魔化した。


店内に入ると落ち着いた内装でくつろげる空間が拡がるカフェレストランだった。　
ミシュラン1つ星を獲得したスターシェフによる無国籍料理らしい。


そして、私達は店員さんは窓側の席へと
案内してもらった。