年下男子は天邪鬼
「白石さんはお二人と同じ職場なんですか?」

私は話題を反らすべく隣の白石さんに
話を振る。

「いえ、私はお二人の会社が入っているオフィスビルの総合受付をしています。」

「わぁ、受付壌なんですね。
通りで綺麗なはずだ」

「そんな、綺麗だなんて」

そう言ってはにかむ白石さんは
本当にお人形さんのような顔立ちで
お肌なんてプリプリの艶々だ。

女の私でもその艷やかな白肌に
触れてみたくなる衝動にかられるのに
男性なら尚更だろう。

どう見ても20代前半だよね...

そんな美人の隣の席で公開処刑のような状況に私はなんだかいたたまれない気持ちに
かられ、グラスを手にお酒を煽った。

しかも、そこからは私の知らない会社の
人の話になり、一人だけ蚊帳の外だし。

白石さんはちゃんと出てきた料理を皆に取り分けて女子力の差をつけられてしまうし。

私、ここに何しに来たんだろう. . .

入れない話題といたたまれない気持ちにお酒だけが進む。

「すみません、ちょっとお手洗いに」

そしてひとり飲みすぎた私は
お腹の許容量を超えたお酒に
席を立つとトイレに向かった。





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