年下男子は天邪鬼
「なんでこんな嘘ついたの?」
私は大地の真意が知りたかった。
ただの気まぐれなのか、それとも. . .
「依子が安斉さんと二人で飲みに行っちゃうから...」
大地は窓の外に目を向けたままで
ボソリと呟いた。
それは嫉妬と受け取っていいんだよね?
私はその曖昧な答えにもう一度たたみかける。
「私と安斉さんが二人で飲むの嫌なの?」
大地は私の方に視線を移すと
少し考えてから口を開いた。
「依子は俺が白石さんを送るの
嫌だったろ?」
大地は私の質問を無視して
逆に私に問い掛けてきた。
しかも、にやりと余裕の笑みを浮かべて。
「はっ?」
なんで質問を質問で返すよっ(怒)
「依子の顔に送ってほしくないって
書いてあったから」
しかも、図星だから目が泳いでしまう。
「なっ、なに言ってんの!!
自惚れないでよっ、なんで私がっ!!」
私が慌てふためいていると
「ほらっ、ムキになってる。図星だ」
大地は嬉しそうにケタケタと笑いだした。
私の頬がみるみる熱くなる。
私は大地を追い込めるつもりが
逆に追い込まれる。