年下男子は天邪鬼
「ムキになってなんかないわよ!!
別に私は大地が白石さんとどうなったってなんともっ、、」

そこまで言いかけた私は大地の琥珀色の瞳に捕まって口をつむいだ。

「俺と白石さんがどうなってもいいのか?」

大地は悲しげに瞳を揺らしながら言った。

「よくない. . .」

私はもう嘘をつき続けることができなくて
力なく答えた。

嫌だった。二人がこの後帰ってしまったら、どうなってしまうのか考えただけで胸が張り裂けそうだった。

大地は素直になった私をまるで
褒めるかのように頭をヨシヨシと撫でると 
何も言わずに私の手に自分の指をギュッと絡めて握った。

「今日は帰さないから」

大地がポツリと呟いた。

私は返事の代わりにコクリと頷いた

手を握ってるだけなのに、この後に
おこることに期待して子宮が疼き出す。

それから、アパートの前までタクシーが止まると大地が支払いを済ませ、私達は手を繋いだまま家へと無言で歩き出した。
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