年下男子は天邪鬼

そして月曜日の朝、私は泣きはらした無残な顔で
会社へ出勤する。

社会人一人暮らしの私は、
いくら腫れて不細工な顔であろうが
振られて心がズタズタのボロボロであろうが
会社を休むことはできない。

お金ないし、仕事は山のように溜まっているし、
それを代わりにやってくれる優しい上司も
ここにはいない。
溜まれば溜まった分だけ自分に跳ね返ってくるのだ。
だから、いくら上司から“振られたの？”とからかわれようが
周りの同僚から憐みの目で見られようがただひたすら無心で仕事を進める。

そんな折、私がパソコンに向かっていると
「依子さん、お疲れ様」と
私をいたわる声が後ろから降ってきた。

後ろを振り返るとそこには安斎さんの姿があった。

安斎さんは私の顔を見て一瞬表情を曇らせた。

私のこの腫れあがった目をみれば、
泣いた後なんて一目瞭然だろう。

でも、ハートが完全にへし折れている私は
恥ずかしいという感情すら湧いてこない。