年下男子は天邪鬼
安斎さんが去ったあと、
私はパソコンで作業を進めながら
大地の言葉を思い出す。

そう言えば、大地のやつ、
安斎さんに幸せにしてもらえとか腑抜けたこと言ってたっけ?

思い出していると悲しみを通り越して
沸々と大地への怒りの感情が湧いてくる。

何を馬鹿な事言ってるのだ。
あんなに人のことを振り回して、
こんなに好きにさせといた挙句、振るとか有り得ない。
大地に振られたから、すぐ安斎さんにとか
私はそんなに鋼のハートは持ってないんだ。
バカヤロー!!

一度、好きになったらそう簡単には切り替えることのできない乙女なんだよ!!

私は益々、イライラが募ってきて
パソコンを打ちながら
「ふざけんな。あの野郎」
一人ブツブツと鬱憤が口から溢れ出す。

周りはそんな私の様子にギョッとしながらも
怖いのか関わりたくないのか、
多分両方だろうけど話しかけてくるものはいない。
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