ヴァンパイアの花嫁
レジーナは何度もそう王や兄に言った。だが、王たちはいつもレジーナの言葉を鼻で笑うだけである。

「お前はどうせどこかに嫁ぐのだから問題ない」

「女はいいよな〜。政治のことなんて考えなくていいからさ」

二人どころか、大臣たちですらレジーナの話に耳を傾けようとはしなかった。その態度を見るたびに、レジーナの中である想いが燃えていく。

(私がこの国初の女王となる!そして、今の腐った王室を生まれ変わらせなくちゃ!)

だが、真正面から話し合いを持ちかけても誰もレジーナの意見を聞いてくれない。そこでレジーナは自分主催のお茶会を開くことを思い付き、お茶会に招待する王と兄の好きな紅茶やお菓子をたくさん用意した。

「まさか、レジーナがこんな茶会を開いてくれるとはな」

「嫁入りのための練習か?」

お茶会当日、王と兄を中庭にレジーナは招待し、紅茶をティーカップに注いでいく。

「たまには、こうして家族だけでのお茶会をしたいなと思ったので」

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