ヴァンパイアの花嫁
「今日はトウモロコシがお買い得だよ!早い者勝ちだよ!」

「いらっしゃいませ〜!今日の日替わりランチはこちらの二種類となっております。お好きな方をお選びください」

賑やかな城下町をレジーナはあちこち見回しながら歩く。ここに来るのは初めてではないものの、王室ではないものばかりが溢れ、いつ見ても飽きないのだ。

(あのお店、前はなかったところだ!どんなものを売ってるんだろう……)

キョロキョロとあちこちを見ながら歩いていたレジーナは、前に立って話していた誰かとぶつかってしまう。勢いよくぶつかってしまったレジーナは尻もちをついてしまった。

「きゃッ!」

打ち付けてしまった臀部が痛む。それと同時に「おいおい、マジかよ」と上から声が響いた。レジーナが顔を上げると、そこには大柄で筋肉質、身体中に傷がある男性が立っていた。レジーナは慌てて立ち上がり、頭を下げる。

「も、申し訳ありません!」

だが、男性は自分の服を指差して言った。
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