Melts in your mouth


ココアブラウンのセンターパート。この髪型はこいつの為に爆誕したのかと思ってしまう程によく似合う綺麗な顔。切れ長だけどしっかりと縦幅にも愛されちゃってる三白眼は、ミステリアスで色っぽい。


高くて真っ直ぐ通った鼻筋に、完璧な長さの人中と、薄い上唇に厚みのある下唇はどちらも血色が美しくリップを塗っているみたいな桃色だった。



要約すると容姿端麗。もうどの角度から見ても欠点がまるでない絶世の美形。

人妻であろうが子持ちであろうが関係なしに、無差別にsucré編集部内の社員全員の頬を赤く染め上げて見せたその男は、今ではすっかりお得意のお手振りを披露してへらりと口角を持ち上げた。



「初めまして、今日からsucréに配属になった平野(ひらの)(かける)でーす。実は今日ここに来るまでめっちゃ緊張してましたが、優しそうで美人な先輩方の顔を見て超ホッとしましたー…あ、好きなご飯はラザニアでーす、これからよろしくお願いします可愛い先輩方。」

「……。」



平野に対して私が希望と期待なんて生易しい心を抱いてワクワクできた時間はたったの五分であった。繰り返す。たったの五分であった。


平野の自己紹介が終わった時点での私の感想はこうである。













































思ってたんと(大幅に)ちゃう


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