ただ…傍にいたいだけ…
告白
日曜日。

俺はそわそわしていて、約束の時間の一時間も前に着いていた。

どんだけ俺って、雛葉とのデート楽しみにしてんの?(笑)
つか、これってデート?なのか?


約束の10分前に、雛葉は現れた。
「ごめんね!」

「ううん!俺が、早く来すぎたんだし」

雛葉は、花束を持っていた。

ん?花?

「あ、これ……ちょっと…ね……」
俺の視線を見て、切なく瞳を揺らした雛葉。

俺を見上げた。

「雛葉?」

「ちゃんと、全部話すから。
今から、黙って私についてきてくれない?」

「え?
……………わかった」

俺は頷き、雛葉の背中を追った。



タクシーに乗り込んだ、俺達。

「…………◯◯霊園まで、お願いします」

「………え…」

霊園?
霊園って、墓?

え?
え?

ま、まさか━━━━━!!!!!?


15分程の走って、霊園に着いた。
タクシーを降りて、5分位歩いて…………





「ここに、私の“旦那”が眠ってるの」






切なく、瞳を揺らし……雛葉が真っ直ぐ俺を見て言った━━━━━━


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