ただ…傍にいたいだけ…
「良一、生まれつき心臓に持病があって、長く生きられないって」

「え?そう…なん、だ……」

「だから近い将来、私と一緒にいられなくなるから、断ったみたいなの」

「………」
俺は、何も言えなくなる。

雛葉は続けて話す。
「でも私は、諦めるなんて出来なかった。
それくらいに、良一のことが大好きだったから!」


そうだよな……俺の立場でも、同じだろうな。

雛葉のこと、たぶん諦められない。


「毎日、彼に会いに家に行った」

「うん」

「私が、高校二年の時の秋だったかな?
私の熱意?におされて、恋人同士になれたの!
幸せだった!
やっと、手に入れた!って!」

「そっか」

俺は、複雑な気分で話を聞く。

「それから二年半位は幸せだった!
でも彼が、大学を卒業するって時に……っ…」

雛葉の言葉が詰まり、胸をおさえる。
俺は、咄嗟に背中をさすった。

「雛葉!?大丈夫!?」

「ありがと……
大丈夫……
突然、発作が出て……その時に、余命を宣告された」

「………っ…!!!?」
俺も、言葉に詰まった。





「………………余命、一年って…言われた…」




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