ただ…傍にいたいだけ…
「━━━━へぇー!結構いいマンションだな!」

「まぁね」

「旦那と住んでたとこ?」

「うん、そうよ」

「そっか」

雛葉のマンションに着き、中に入る。

雛葉の匂いがした。

甘くて、温かいような……柔らかい香りだ。


「ん?あれ?
ここ、1LDK?なの?」

「そうよ!」

「ここに、旦那と住んでたんだよな?」

「そうよ」

「普通、2LDKとかじゃねぇの?」

「だから!離れたくなかったの!」

「へぇー
あ!布団ある?
あ、でも、このソファ借りりゃいいか!」

「あ、このソファ、ソファベッドなの。
琉輝くんは、ここに寝て?」

「良かった!ありがと!
ねぇ、これさ。
雛葉のベッドの横に移動させていい?」

「は?ダメ!!」

「いいじゃん!」

「ダメ!!」

「てか!勝手に移動させるから」

「はぁ!!?」

「させてよ?好きに」


俺が真剣に見つめて言うと、やっぱり雛葉は渋々受け入れてくれた。


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