ただ…傍にいたいだけ…
「Merry Christmas!」

小さなケーキと、ちょっとしたオードブル。
俺達は、二人でクリスマスパーティーをした。


「雛葉、受け取って?」
俺は、ペアピアスの入った小さな箱を渡した。

「ありがとう!
こっちは、私から!」

「ん!サンキュ!」

雛葉からのプレゼントは、ネックウォーマーだった。
早速つけて見せた。

「どう?」

「ん!似合ってる!」
雛葉が微笑んでくれた。
俺も、自然と微笑む。

「俺のも、開けてみてよ!」
「うん!
━━━━━━ん?ピアス?」

「うん!
あ!ねぇ、つけさせて?」

「え?うん」

雛葉の右耳に、ピアスをつけた。
「出来ればさ」
「ん?」

「外さないでほしい」

さすがにワガママだよな……
と思いながらも、雛葉を見つめて言う。

「…………わかった」
雛葉は、少し考え込んで頷いた。


俺は、雛葉に何でもお願いするつもりでいた。

恋人、キス、セックス以外のことは、何でも……!


「でも、これ……」
雛葉がピアスに触れながら、窺うように言ってきた。

「ん?ペア」
俺は、あっけらかんとして答える。
そして、もう一つのピアスを左耳につけた。

「…………
琉輝くん、やっぱダメ!」

「雛葉」
慌てて外そうとする雛葉の手を掴んだ。


「琉輝くん!
調子に乗らないで!」
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