ただ…傍にいたいだけ…
ガッシャーーーン!!!!!

皿の割れる音が、店内に響いた。

「ちょっ…大丈夫すか!!?」
「雛葉さん!!?」

皿を落として割ったのは、雛葉だった━━━━

カケとナルが慌てて雛葉に駆け寄り、割れた皿を片付けだした。


そして、当の雛葉は固まっていた。


「え……」
「雛葉…さん…?」
「雛葉、どうし━━━━━」


「二度と!!!」

「え?」

「二度と!!
“いなくなればいい”なんて言わないで!!!」


雛葉は、泣いていた。

そして、俺を鋭く睨み付けていた。



それから雰囲気が悪くなり、俺はその日から雛葉に会いづらくなり、自然と定食店に行かなくなった。





「━━━━━琉輝」

そんなある日の昼休み。
カケとナルの三人で、中庭で購買のパンを食っていると、カケが声をかけてきた。

「ん?」

「雛葉さんとこ、行かねぇの?」

「なんか、行きづらい」

「謝れば良いじゃん!
雛葉さんがあそこまで怒んの、なんか理由あんだろうしさ!
てか!
琉輝に非はあるだろ?」
「僕も、そう思う!」

カケの言葉に、ナルも賛成したように言った。


そんなことはわかっている。

100パー、俺が悪い。

誰でも“いなくなれ”何て言われたら、怒るに決まっている。

それが、好きな相手なら尚更。



でも俺は、怖かった。

絶対、嫌われたであろう雛葉に会うのが。



それからも、グチグチと情けない思いを抱えながら3ヶ月が過ぎた。

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